宇賀那 健一|映画監督


衝動の先にある
大きな可能性

Photography:James Ozawa
Interview:K-suke Matsuda

大人になるにつれて、知識や経験が積み重なって、自然と間違えることのない方向を示してくれる。たしかに大きな失敗は減るけど、その反面で身体の底から湧き上がる熱い気持ちが内蔵されたクーラーで冷やされる。その結果、決断に二の足を踏んでしまう。なんだかちょっと寂しい。誰だって、若き日に「衝動」に突き動かされた経験はあるでしょう。それは一度発動すると、脳内の小人たちの意見をシャットダウンし、考えるより先に行動ができるようになる不思議な魔法。時には、腹がよじれるくらい笑えるバカな出来事や、予想だにしないほど素敵な結果をもたらすこともあります。そして、衝動に突き動かされる人は、ある意味バカで、ある意味天才。その瀬戸際を紙一重で駆け抜ける姿がかっこいいんです。

……なんてことを真剣に考えていた時に、真っ先に頭に浮かんだのが宇賀那健一さん。映画監督であり、俳優であり、飲食店経営者でもあり、自分の好きなことに果敢に挑戦しているお方です。こう説明すると、「どうせ金持ちのボンボンでしょ?」とか、「タレントが、一発稼いだお金で飲食にも手出したんでしょ? いるいる~」とか思われそうです。みんなSNSを見て、人の活躍に凹むから。すぐに「あの人は特別ですバリア」張るから。だけど、違います。NO。 彼になにか人と違う特別な部分があるとしたら、「憤りを行動に変える力」つまり「衝動力」の強さ。インタビューをして、確信に変わりました。宇賀那さんの人生は、単なるサクセスストーリーなんかじゃない。誰もが頭や心に描けるはずなのに、行動に移せないこと。それを、時には失敗しても「衝動」の力でカタチにすることは、とても大事なんだと思います。


宇賀那 健一/Kenichi Ugana

ブレス・チャベス所属の映画監督・脚本家・俳優。株式会社VANDALISM代表取締役。出演作の代表作は、大河ドラマ『龍馬伝』、映画『着信アリ final』、TVCM『メントスレインボー』シリーズ、公開待機作は『エキストランド』など。 監督・脚本作では、音楽が禁止された世界を描いた『サラバ静寂』が2018年に公開予定。ガングロギャル映画『黒い暴動』がDVD発売&レンタル中。