吉村 界人|俳優

矢澤永吉になりたい


ー ラップや作詞が好きだということですが、昔から音楽は身近にあったんですか?

吉村:そうですね。親が好きだったのもあって、昔からピアノやブルースハープをやっていました。歌詞は毎日書いています。本当は書きたくないんですけど、書いちゃうんですよ。癖みたいなもので。いつも行くカフェがあるんですけど、そこで一人でパソコンを広げて映画の予告を観るんですよ。それに刺激を受けて、曲を書いてます。その流れでラップをちょっとやっているだけで、ギャングスターになりたいとは思っていません(笑)。

ー 今回、出演されている映画『サラバ静寂』は、音楽が禁止された世界でそれに反抗しながら生きるミズト役を演じられていましたが、実際に音楽が禁止されたらどうしますか?

吉村:それこそ世界の終わりですね。反抗するほど、どっぷり浸かっているわけじゃないんですけど、悲しいので反抗すると思います。

ー ミズトは、界人さん自身と比べてどんな存在でしたか?

吉村:あの子は大変ですね。泣いたりわめいたりして。どんよりした日々を過ごして、つまんねーなとか、何もねーなと悶々としている所は共感しました。僕も普段から思うことがあるので。自分の中に暗いアンダーグラウンドな世界があるのは一緒かなと。

ー そういうアンダーグラウンドな世界を持ちながらも、前向きに自己表現をしていく秘訣はありますか?

吉村:周りの人と比べても疲れないことかもしれないですね。その代わり、自分に疲れちゃうんですよ(笑)。

ー 自分の理想に対して疲れるということですか?

吉村:この間、友達と休みの過ごし方について話をしていたんです。彼は、歌舞伎を観に行ったり、友達に会いに行ったり、海外へ行ったり、コンサートへ行ったり。一方、僕はカフェで一人で本を読んだり、がちゃがちゃとやっているわけです。で、なぜ僕が外に行かないかと言うと、負けず嫌いなので、何かの刺激を受けると悔しくてすぐにやり出しちゃうんですよ。たとえば、アイドルのライブを観に行ったら、「コンサートをやるにはどうしたらいいのか」って考え始めるんです。「そしたら、役者辞めないとなのかな」とか、余計なことを考えて、自問自答しちゃって。そういう感じになりたくないんですよ。疲れちゃうので(笑)

ー ある意味ストイックですね(笑)。だからこそ、俳優業に留まらず、いろいろな活動に挑戦されているわけですね!

吉村:そうですね。カテゴライズはされたくないとは思っています。そうすると幅が狭くなるじゃないですか。ラッパーはラップしかやっちゃいけないとか、俳優なんだからこうしなさいというのは、ちょっと間違っていると思うので。たとえば、矢沢永吉さんの場合、「矢沢永吉だからなぁ」で済むじゃないですか。何か他のことをやっても、「あの人は歌手だから」とは言われないですよね。あくまで若手俳優の一人でしかないと、自分がやりたいことを実現できないと思います。だから、幸せになるためには、あのクラスまで上り詰めないといけないと思うんですよね!