羊文学|バンド

「できる」ことを、続けること。

Photography:Yuco Nakamura
Interview:K-suke Matsuda


あの業界は厳しい……。
なーんて、腕組みしながら居酒屋でおじさんたちが語らいあっている世の中なう。大概、槍玉にあがるのは音楽業界じゃないでしょうか。やれ、「CDが売れない」だの、「ライブハウスに人が入らない」だの、「アイドルに全部持っていかれる」だの、言われ放題。どの業界でもそうですが、憧れは希望になり、原動力になります。「あんな人になりたい」とか、「この業界で働きたい」とか、そういうことが若者にエネルギーを与えて、多くの後進を生み出すはず。要するに、業界がハッピーだと、業界を目指す人もハッピーでいられるということです。不毛な愚痴や、悲しいニュースばかりが先行していると、若者は夢を見れない。頼む、夢を見させてくれ!(切実に懇願)。

音楽というのはこれまた険しい道のりで、決して技術だけあれば良いというわけでもない上に、今ではアプローチの方法も多様化しています。家で録音してWEBで公開する、自主制作のMVでバズを狙う、ストリートライブからデビューを目指す、グッズ物販で活動資金を得るなど、ひと昔前よりもずっと「音楽で生きていく」ことの手段が増えているからです。それ自体は良いことなのですが、可能性が多いとその分だけ悩んでしまうというのが人間の性。あれこれ考えて動けなくなるというのも、往々にしてあります。そんな中、愚直に正攻法のライブ活動を続けて、インディーズデビューのステージへ駆け登ったバンドがいました。現役の大学生でもある彼女たちは、学業をしっかりこなし、周囲や社会の状況と葛藤しながらも、コツコツと1歩ずつ前進し続けています。その姿勢から、ごちゃごちゃと脳みそで考えるよりも、地に足をつけて「今できること」に取り組むことの大切さを感じました。ひとたびググれば多くの“正解”を手に入れられる現代だからこそ、そんなシンプルな生き方が必要なんだと思います。


左から、福田ひろ(Dr)、塩塚モエカ(Vo.Gt)、ゆりか(Ba)

羊文学/Hitsujibungaku

塩塚モエカ(Vo.Gt)、ゆりか(Ba)、福田ひろ(Dr)によるスリーピースロックバンド。平均年齢20歳。2012年に五人組で結成。数回の活動休止とメンバーの入れ替えを繰り返し、現在の編成に。「2016年 Shimokitazawa Sound Cruising」「FUJI ROCK FESTIVAL ROOKIE A GO-GO」などに出演。 下北沢・渋谷を中心にライブ活動を展開中。2017年10月4日にインディーズデビューを飾る。デビューE.P『トンネルを抜けたら』が好評発売中。「羊文学」公式HP