瑞慶覧 宏至|豆腐屋

「池田屋」というブランドを確立。

そうして、自分が先頭に立ってできることは何だろうと考えた時に「行商」を思いついたんです。県外の豆腐屋さんたちの事例から学んでいたので、それなりに自信はありました。そして、街でラッパを吹きながら豆腐を売り歩いたんですよ。一軒ずつ全ての家をピンポンして「豆腐を売って回っています。どうですか?」って。スーパーへの卸から、対お客様への商売へ切り替えるには自分の足で稼ぐのが一番だと思ったんですよね。高い布団を押し売りするわけじゃなくて、あくまでも豆腐ですからね。その活動でだいぶメンタル面は鍛えられましたね。

最初は実験的にやっていたんですが、次第に買ってくださる方も増えてきました。そして、2016年の年明けからは思い切って卸を全部辞めて、完全に行商スタイルにシフトしましたね。元々は売り上げの8割が卸での収入だったので、今思えばかなり攻めましたよね。でも、国産大豆と沖縄県産の塩とにがりで作った島豆腐や、化学調味料の入っていない惣菜を扱うようにしたおかげで、良質な豆腐と言えば「池田屋」というブランドとして認知されるようになりました。県内で言えば、一番高いランクの豆腐を売っていますからね。作りたいものを作って、売りたい値段で売れるブランドが確立したんです。そんな変わったスタイルの商売に切り替えたおかげで、TVや雑誌などのメディアにも取り上げられました。そして、売り上げが伸びたおかげで、一番の課題だった働き手の労働環境を改善することができました。良い環境には、時間、給料、やりがいの3本柱が必要だと思うんですが、しっかり休みも取れますし、所得も県内の同業者と比べて高い水準まで引き上げました。環境が悪いと、自分の会社の悪口を言うような人しか来ないですからね。今は職人さんたちとの仲も良いですよ。