赤松 ハルカ|ミュージシャン

マジメにやるのをやめよう。

— ソロ活動に転身し、1人の時間が増えたからこそ、同級生の進路と比べることはなかったですか?

赤松:ほとんど会う機会がなかったので、あまりなかったです(笑)。私は区切りが来ると、それまでの人間関係がリセットされるタイプの人間なんです。たまに誰かが集合をかけたり、結婚式なんかで集まることはありますが、そういう時くらいですね。生きてる世界が違うと話がかみ合わなくなってくるんですよね。抱えている問題も、見ている方向も違うので。

— そう割り切れるのはすごいですね。なにか秘訣はあるんですか?

赤松:幼い頃から、引越しが多かったからかもしれません。一度引っ越すと、次の環境に慣れないといけないので、そっちに気を取られて過去のことは考えなくなるんです。あまり一つのところに固執しないので、しがらみに捉われることがなくなります。割り切れ過ぎて、たまに自分で引きます(笑)。冷たいのかなって。

— そういう軽やかな生き方も必要だと思いますよ。ソロになってから、心境の変化はありましたか?

赤松:すぐには変わらなかったんですが、ある時「マジメにやるのをやめよう」と思うようになりました。世に出たいとか、売れたいとか、そういう頭が強くあったんですが、だんだん良い意味でどうでもよくなってきたんです。まずは、「楽しい」っていう感覚を大切にして、その時々のライブをいかに楽しむかということに頭がシフトしてきたんです。おかげで、今は気楽になりました。やりたいことだけやって、やりたくないことは断ります。より素直になりました。

— なにかターニングポイントがあったんですか?

赤松:3年くらい前に、戦前のジャズをやりたくなって、そういう音楽をされている女性シンガーに会いに行ったんです。その時に教えられた音楽バーへ行ったら、セッションイベントをやっていたんですよ。ロックやブルースやいろんなジャンルのミュージシャンたちがいて、とにかく音楽を楽しんでいたんです。それを機会に、聴く音楽も広がり、知らない人といきなり演奏するセッションの楽しさに惹かれました。みんな良い意味で、“音楽がどうでもいい人たち”なんです。売れたいとかじゃなくて、演奏すること自体が楽しくて楽しくてしょうがない人たち。あぁ、こっちの方が肌に合うって思ったんです。

— 視野が広がったことで、商業的な世界から抜けられたということですね。

赤松:そうですね。それまでは将来やお金のことで頭がいっぱいでしたし、ライブハウスという箱から抜け出せていませんでした。つき合う人たちが変わったことで、演奏する場所の幅も広がり、演奏に対してのお金ももらえるようになったんです。今では、カフェやバーで演奏することが多いですし、気になった人を自分のライブに呼んで一緒に演奏することもあります。まずは自分が楽しむことをモットーにしています。

— 僕が観た時も、ストリッパーの方とコラボされていましたよね。今まで一緒にライブした中でとくに印象的だった方はいますか?

赤松:シャンソン歌手の高橋絵実さん。彼女は元々ドラマーで、私のライブでパーカッションを演奏してくれていた時期がありました。私のプレイスタイルに合わせて手でスネアを叩いたり、本番前に100円で買った小鍋を叩いたり、なにを演奏してもピタリとハマるのが心地良くて。もちろん、唄もすごいんですが。そんな縁もあって、今では「キャバレー未来」という活動を一緒にしています。

— 5つのバンドに所属されていますよね。どういう割合で活動をされているんですか?

赤松:ソロではお店から誘われたりとか、友達のミュージシャンやアーティストと、こういうのをやりたいよねって話をして企画を組んだりすることもあります。バンドの方が、それぞれを仕切っている人がライブの話を持ってきてくれる感じですね。全部ジャンルが違って面白いです。ただただ派手な格好をするために、楽曲制作よりも衣装集めに注力するバンドもあります(笑)。