ブルノ デュモン|芸術家

たどり着いたのは、小屋。

子供の頃は、アーティストという言葉がどんなものを指すのかはわからなかったけど、絵は5歳の頃から描きはじめていた。まるで恋をしている時のようなドキドキ感を味わえるのが好きでね。デッサンからスタートして、中学生の時にコラージュにも興味を持った。21歳の時に画家として生きることにしたんだけど、その前はアマチュアの自転車選手をやっていたよ。でも、怪我をしてドクターストップを出されてしまって。それからは、絵で生きるという方向に舵を切ったんだ。

僕は“風来坊”みたいなもんだよ。お金を稼ぐための仕事が好きじゃないんだ。だって、身体が痛くなったり、口論になったり、トラブルが発生したり……。画家になる前に少し働いたりもしたけど、生活のために仕事をするというスタンスに大きな問題があると思う。だから、僕はアーティストになって絵を描いた。絵は僕にとっての言葉であり、絵を通じて会話ができると思っていたんだけど、次第にそれだけじゃ足りなくなってきた。今、僕が思っていることをどうやって伝えたら良いかと考えた時に、小屋を作るのが良いと思ったんだ。廃材で作れば、お金もほとんどかからないし、自然のエナジーをすべて取り入れられる。たとえば、太陽熱を利用すれば発電もできるよね。トイレもボットン式にして、おがくずを入れれば匂いもしないし、排泄物が溜まってきたら肥料にして畑に巻けば野菜も作れる。それを食べることで僕は生きられる。そんな循環のサイクルに興味があって、40歳からは小屋作りに没頭しているんだ。アーティストには国境がないので、これからもいろいろな国で小屋を作りたいと思っているよ。今よりもさらにコンパクトで、さらに快適なものを作れる気がするんだ。