ブルノ デュモン|芸術家

人生のすべてはアート。

Photography & Interview:K-suke Matsuda
Special Thanks:Yosuke Tsuchiya

岡山県にある美咲町で、2年に渡り開催された「美咲芸術世界」。自然は豊かだが人口の少ないこの地域を彩るため、世界各国の芸術家が集結し、各々が町の廃材で作品を作るというアートプロジェクトだ。町を訪れた人たちは、アート作品をただ鑑賞するだけではなく、芸術家たちが創作に取り組む様を間近で観ることができ、彼らと談笑をすることもできる。そんなライブ感溢れるイベントは好評を博し、普段は人通りの少ない田舎道で渋滞が起きるほど県内・県外からお客さんが押し寄せた。芸術作品と言うと、感心がない人にとっては、“前知識がないと楽しめないもの”というイメージがある。でも、実際に製作している現場を観られるのであれば話は別。誰だって、人が楽しんで作品づくりをしている姿には心を動かされるものだから。

 プロジェクトの発起人に話を聞いたところ、この活動のルーツはパリにあるのだという。欧米諸国には、「スクワット」という文化があり、飽き物件を不法占拠し、アート活動を行う集団も数多くいる。中でも伝説的なものがパリに現存する「59Rivoli」。このスクワットこそが、まさに「美咲芸術世界」の起源。そこでは、7階建てのアパートの一部屋ごとにアーティストのアトリエがあり、誰でも入って創作活動を見たり、気に入った芸術作品を購入することができるという。創設者の一人が、「美咲芸術世界」の会場にいた。小高い丘の上で、黙々と廃材の小屋を作り続けていたブルノさんだ。氏は、便利になる反面で弊害を生み続ける世の中に対して、訴えかけるような活動を世界中で続けている芸術家。そのレックレスな生き様と、日本にはない「スクワット」という文化について話を聞きました。


 

ブルノ デュモン/Bruno Dumont

1965年生まれ。フランス・モントルイユ出身。パリ在住。スクワット「59Rivoli」創設者の一人。メッセンジャーを経て、21歳の時に画家を志す。現在は自らを「Cabanisit(小屋主義者)」と名乗り、世界各地でエコハウスを作るアート活動に取り組む。代表作に、“水を使わないトイレ”をテーマにしたアートプロジェクト「トイレット セッシュ」など。